シアター風姿花伝では、「演技における共通言語」と「トレーニングの継続性」をテーマに2017年より 演技講師の山中結莉氏とともに継続的に俳優ワークショップを開催してまいりました。

2020年にはそれまで開催してきたワークショップのまとめとして、「演技へのアプローチ」、「戯曲分析」、そしてそれらを実践する「シーンスタディ」の3つのクラスを連続して開催して1年を通して演技に必要な要素をじっくりとトレーニングをする機会を設ける予定でした。残念ながら感染症拡大により、「シーンスタディ」のクラスは実施がかないませんでしたが、「演技へのアプローチ」、「戯曲分析」のクラスには多数のご参加をいただきました。その後もコロナ禍においても歩みを止めず、少人数でも実施可能な形式を模索し、2021年には「個人向け演技コーチング ～自分の可能性を広げる～」、2022年には「個人／ペア向け演技コーチング2022～自分の可能性をひらく～」と、個々の課題解決を重視したマンツーマン・ペアワークショップを開催しました。

そしてこの度、開催について多くのご要望をお寄せいただいていた「シーンスタディ」のワークショップを開催いたします。演技へのアプローチ、戯曲分析等をもとに、ご自身で準備したものが、その場で相手役とどうオーガニックに立ち上がっていくのか。戯曲の1シーンを用いて実践する、可能性をたくさん秘めた創造性のあるレッスンに、ぜひ奮ってご参加ください。

（演技へのアプローチ、戯曲分析の共通言語を必要とするため、過去に山中氏の演技ワークショップ（シアター風姿花伝主催以外のものでも可）を受講したことがある方を対象とさせていただきます。）


ワークショップに寄せて

皆さんとは何回かワークショップを重ね、俳優が自立して己を信じて自分の道を歩んでいくためのエクササイズなどを行なってきました。 「シーンスタディー」である今回は、実際に役として戯曲をどう三次元に立ち上げていくのか、さらにその先に踏み込んだ作業をしたいと思います。

演劇は「人間の生き様」を描いています (動物やスピリットが登場しても、それは擬人化されている)。その物語を演じる俳優は全身全霊でその世界を生きようとするので、ヒューマニティーの奥底まで掘り下げていって、その役のエッセンスに届くのだと思います。

人間とは。そんなことにも思いを巡らしながら、みなさんと時間と空間をまた共有できるのを楽しみにしています。

新しい旅路に乾杯!

山中結莉
You-Ri Yamanaka

講師紹介

講師	山中結莉(ゆうり) 　You-Ri Yamanaka
プロフィール	俳優、ムーブメント・ディレクター、声優、演技/演劇教師 早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、ロンドン大学ロイヤルホロウェイ校演劇学部演出コースにて修士号を取得後、ロンドンにある英国最古の演劇学校LAMDA (London Academy of Music and Dramatic Art) を卒業。 フィリップ・ゴーリエにルコックを学ぶ。25年以上に渡り、英国・ヨーロッパ・エジプト・日本等で活動。 イギリスではLAMDA, Rose Bruford, BADA (British American Drama Academy), East 15 Acting School, ALRA (The Academy of Live and Recorded Arts), LDA(London Dramatic Academy) 等で教える。日本では新国立劇場演劇研修所で「身体と演技」「役になるために : シーンスタディー」の講師を担当。また、上智大学、東洋大学でも教える。 近年は社会で抑圧されている人々に向けたワークショップ、小学生向けワークショップ等も行い、幅広い活動を展開している。 また、2022-2023年、ロンドンで公演の英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーによる ”My Neighbour Totoro” 「となりのトトロ」舞台版ではムーブメント・ディレクターを務めた。 ロンドン在住。 http://www.you-ri.com/