私たちシアター風姿花伝は「演劇に育む場所を」というコンセプトのもとに、様々なプログラムを行なってまいりました。そして近年、プロデュース公演と共にもっとも力を注いで来たのが、俳優育成のためのアクティングワークショップです。

演劇という芸術をより成熟させる為には、俳優の育成は必要不可欠であり、その過程において、様々な演技観や方法論が乱立する日本の俳優の育成環境は、今だに多くの問題を抱えています。

そこで私たちシアター風姿花伝は、「演劇における共通言語」と「トレーニングの継続性」の2点にフォーカスしたワークショップを行なってまいりました。 その活動の中で出会ったのが、山中結莉氏です。
同氏がイギリスで培った理念と技術と方法論は、今の日本の俳優教育の問題点を解決できると考え、同氏と共に2回の俳優ワークショップを行いました。
そして、それは私たちが必要とするものが全て詰まった素晴らしい機会となりました。
受講者たちからは賞賛と共に、継続的な開催を望む声が多く上がり、2回目のワークショップで行なったショーケースでは来場者と俳優たちが、様々な立場から見える課題や意見を交換しあう刺激的な場を創造することに成功しました。

同時にそれは新たな課題を発見する機会でもありました。
様々な経験を持つ俳優が混在するワークショップでは、それぞれの課題に大きな隔たりがあり、一つの課題にじっくり取り組むことが困難な状況でした。

そこで今回のワークショップでは参加者の段階に合わせて2つクラスを用意いたしました。
過去に山中氏のワークショップを受講したことのある方が対象となる【受講体験者クラス】では、過去のワークショップで得た問題点を山中氏と共に再考し、次の段階に進むための新たな課題にチャレンジしていただきます。
過去のワークショップとくらべ少人数のクラスになりますので、それぞれの課題を参加者全員で共有し、模索できる非常に有効なパッケージとなっております。

同氏のワークショップに参加したことがない方が対象となる【初体験者クラス】では、戯曲の分析をもとにどう演技にアプローチしていくか、丁寧に取り組んでいただきます。
こちらも過去ワークショップに比べて、少人数編成となっておりますので、それぞれの疑問にじっくりと向き合い解決方法を模索することが可能です。

この機会にぜひ、山中氏の培った理念と技術方法論に触れていただき、まだ見ぬご自身の可能性と演劇という芸術だけが持ち得る魅力を感じて頂ければと思っております。 皆さまのご応募を心よりお待ちしております。

俳優にとって演技をするときに一番大切なのは「心底本当にそう思ってそうしている、そう言っている」ことだと思います。
自分の全身全霊を使い、相手役と観客と世界と真実の交流をする。シンプルにそれに尽きる。

プロの俳優として常にそこにいるために、イギリスの演劇学校ではその技術やアートを教え、現場でもプロ同士が切磋琢磨しながら素晴らしい演劇が栄えています。
私はイギリスだけでなく、ヨーロッパ、アメリカ、イスラム圏の俳優とも仕事をして、様々な文化社会背景を持つ俳優達と交わり、俳優は世界中みな根本は同じなのだと確信しています。
そんな経験も踏まえつつ、日本の俳優の皆さんとも自分の経験をシェアしていくことが自分の人生の使命の一つなのかとも思っています。

今回はクラスを２つに分け、「受講体験者クラス」では一本の戯曲を使い、分析し、役へのアプローチを更に深く遠く探求します。個人の課題にも取り組むため、マンツーマンのコーチングに近い時間も以前のワークショップより多く取ります。
戯曲は参加者に合わせてこちらで選びます。

「初体験者クラス」では、希望のダイアローグを提出していただき、そこから選んだものを参加者に合わせて選んで使います。
今回もまた新しい旅路を皆さんと歩めるのを楽しみにしています！

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